毎日、二度、三度とる食事。私たちの生命にとって、最も大切な行動であることは、疑いがありません。
しかし、忙しさに流され、多くの人々が、食の大切さを見失っているようです。
質の良い食事を、ゆっくり、よくかんで食べる。ただそれだけのことが、いかに病気の克服に役立つか。
赤目養生所では、1985年の開設以来、食事療法を中心にした「養生」の重要性を病気克服の中心にすえ、多くの、他の治療法では良くならなかった、いわゆる難治の患者さんの健康回復をお手伝いして来ました。
じつは、食生活を見直すこととは、単にメニューを変えることではありません。
ゆっくり食べることは、いかに忙しく、ゆとりのない生活をしていたか、見直すことにつながります。
ストレスを、早食い、やけ食いで解消していたこと。精神をなだめるための方法が、一方で体を蝕んでいることに気づきます。
一口ずつ、味わって食べることで、本物の食事がいかにおいしいものであるかに気づきます。入院された方皆さん、味にはとても「うるさく」なります。
農薬や化学肥料を用いて促成栽培された野菜がいかにまずく、不自然に育てられた卵や肉がいかに臭いものか。本物の食材は、味付けしなくてもそれだけで、いかに味わい深いものか。
「体に悪いもの=おいしくない」 ことをご自身の舌で判断できること。
ゆっくり食事をする心の余裕を取り戻すこと。
それだけで、「毎日の食事が原因で病気になる、悪化する」ことはなくなります。
それどころか、「毎日二度三度、自分で自分を治療する」ことが可能になるのです。 |