赤目養生所
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赤目養生所とは

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所長のエッセイ集
赤目養生所
留守録・FAX 0595(64)1485
電子メール tanaka@yojo.org
僧帽弁閉鎖不全症、高血圧 59歳 男性

私がこの養生所に来たきっかけは図書館で、藤岡先生の「人が自然に癒される時」を読んだことでした。病気、人間を実に深く見つめられているのに感動しました。その後、田中先生とのメールのやり取りで、この感触ならと決心し、家族も説得し思い切って入院してみました。

 私の病気は「弁膜症」です。某循環器病院で、「逆流と心肥大が強度で、すぐ手術しないと心不全になる恐れがある」ということで入院させられ、すぐ点滴につながれ、検査の日程まで次々と決められましたが、胸の中央に多少の違和感が時々あったものの、他にこれといった困る症状もなかったので、主治医、家族全員の勧めを振り切って退院してしまいました。

 さて、「人は環境の動物」といいますが、山里に近い緑に包まれた養生所は、耳を澄ますと小鳥がさえずり、ミツバチの羽音が聞こえる以外、実に静寂そのもののすばらしい環境、立地だと感じました。血圧だけ考えても転地療養の効果は大きなものがありました。

 藤岡先生、田中先生も私にとって、よい環境のひとつだと言っていいでしょうか。検査結果はもとより、しっかり現在の自分の姿を受け止めてくれる。真剣に、ともに考えてくれる姿。人間も、自然の一部、私を根源的なところに立ち返らせ考えさせてくれる講義や雑談会。全人格的な病気の捉え方。先生から、参考になる新刊の本もよく紹介してくれたり、貸してくれたりしました。病気を見つめる視線が患者に近いのも従来の先生達と違い、信頼できていいですね。看護師さん、栄養士さん達も、とても面倒見がよくて、ここが病院?という実感です。

 季楽農園や養生所の菜園で無農薬、有機栽培に直接参加したことは、食養生の基本を考えさせてくれました。昨今多くの人たちにとって、養生所のような理想的な食生活はほとんど困難なので、積極的に意識して食生活を見直し習慣にして、さらに料理が楽しめるようになりたいものです。

 血圧も160‐100mmHg位から120‐80mmHg位にすっかり安定し、胸の違和感もほとんどなくなりました。今後は、自分自身の養生法を考え実行していきます。

 病気になってしまっても、少しでもよい方向に自分で考え、進んでいくきっかけをくれるのが、この日本にひとつしかない赤目養生所の役割でしょうか。多くの皆さんが来所され元気を取り戻して退院されます。私にとっては理想的な3週間の養生生活でした。ありがとうございました。

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