がんにかかると、多くの患者さんは気分の落ち込みを経験されます。
がんに対するイメージから、原因はいくつか考えられます。
@ 治りにくい。 A 治らなければ早晩死に至る。 B 痛い、だるい。
C 治療にお金がかかる。 D 治療に苦痛(副作用)を伴う。
これでは落ち込むのが当たり前です。
進行・再発がんに対し、通常医療を受けることを前提にすれば、残念ながらこれらはおおむね正しいといえます。早期がんでも、再発を心配する上では話は同じです。
しかし、希望は、あるのです。
養生して免疫力・自然治癒力を向上させることは、現代がん治療では主流ではなく、一般の病院で勧められることは少ない方法です。しかしこれは、あらゆる病気克服の中心となるべきことなのです。
がんとて例外ではありません。自然治癒力は、私たち人間が考え出した治療法を、はるかに上回る力があります。それを引き出していきましょう。
そこでは、克服に否定的な気持ち、人生に対する消極的な態度、心配事など、あらゆるストレスが最大の障害となります。患者さんに聞いてみますと、ほとんどの方が、病気にかかる前に大きなストレスがあったとお答えになります。
ストレスは発病原因であり、また再発・悪化要因にもなります。絶望、心配、不安など後ろ向きな気持ちが免疫力を低下させる一方、希望、安心、楽しさ、生きがいといった前向きな気持ちが免疫力を増強させることはデータで明らかになっています。また、多くの長期生存を遂げていらっしゃる患者さんが、食事と同様に異口同音に強調されていることでもあります。
ですから、過剰なストレスを取り除き、明るい未来図を描けるように心の状態を持っていくことは、正しい食事と同じように必要不可欠です。しかし、これは時として、患者さんお一人では困難であることも事実です。
赤目養生所では、医師とスタッフが、患者さんの悩みを時間をかけてお聞きし、共有させていただくことで、「肩の荷を降ろす」お手伝いをさせていただきます。お話し合いの結果、所長から御家族にアプローチをすることもしばしばです。患者さんを中心に、周りの家族、医療者、友人が皆で支えあう。それが出来れば、患者さんのお悩みはかなりの部分、解決します。悩みが軽くなれば、患者さんの積極的に生きる気力も大きくなってきます。
「どうしよう、何とかしなければ」と不安に思い、心の負担になっていたことも、「しょうがないか」「なんとかなるさ」さらに積極的に「出来る限りやってみよう」と思えるようになってくるのです。 |