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赤目養生所とは
所長のエッセイ集
 
赤目養生所
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食材から環境を考える。

良質の食材は、土作りから、とよく言われます。

植物が土から栄養を吸収し、それを利用するには、養分を、根から吸収できる形に変える必要があります。それは、土壌中の昆虫やミミズなどの小動物、微生物が行ってくれているのです。自然に近い形でこれらが働くとき、そこに根を張る植物はバランスの良い養分のおかげで、健康に育ち、栄養豊富な作物となります。

しかしそこに化学肥料を加えると、作物は大きくなりますが、栄養は偏ります。残存した肥料は土壌中の生態系を壊し、その結果、土がやせていくので、いずれは作物も育たなくなります。
農薬の害は言うに及びません。残存農薬が作物を食べた人の健康を害することはもちろん、作物自体も健康に育たないので栄養分が少なく、かつバランスの悪いものとなります。土壌中の小動物、微生物は、直接殺されてしまいます。
何よりも、農薬は、農業の方々の健康をはなはだしく害しています。
数年前、私(所長)が大病院に勤務していた頃の話です。農繁期のある日、疲れたご様子で外来に来られた農業の患者さんが「ハウス(栽培)をすると、長生きできない」と、ポツリと口にされたのが印象的でした。

2007年1月、環境省は、農薬による大気汚染の対策を始めることを発表しました。
良質で、それを生み出す人、食べる人、みんなが健康になれるような農業が持続していくきっかけになることを願います。

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